松原ペットクリニック

東京都世田谷区の動物病院

つぼマッサージ(ワンちゃん編)

犬の体にも人と同じように、ツボがあります。ツボを刺激すると、気の流れがよくなり、体調がよくなるといわれています。
ツボ押しは難しそうに見えて、実は簡単。おうちで試してみましょう。

ツボの押し方
その1
皮膚に直角に人さし指をあてます。
爪は短く切っておきましょう。
ラブラドールのような大型犬は少し強めの力でも大丈夫です。
おとなしくしているようなら、いやではない強さの証拠です。
その2
両側からはさむ方法。
力の入れ具合は、その1と同じです。
その3
足のツボは寝かせた状態でも押せますが、立たせた方が押しやすくなります。
気の流れをよくして体調を整える
 体のエネルギーと考えられている「気」には、体内の血液や酸素の流れを整える力があります。気がうまく流れないと、体調を崩すといわれています。体調をあらわす「病気」「元気」の気とはこの気のことです。
 気は「経絡」という道を通り、全身に流れています。経絡が気の通りにくい状態になっていると、体調が悪くなり、体に痛みやコリが出ます。そこでツボを押したり、刺激したりして、経絡を通りやうし状態にするのです。
 ツボは経絡の上にある、駅のようなもの。そこを刺激すると、とどこおっていた気が流れやすくなります。
 経絡は体の中ににいくつかあり、腸へ続く経絡、胃へ続く経絡などがあります。
 胃の状態が悪い場合は、胃へ続く経絡の上のツボを押すと効果があります。それぞれ腸に効くツボ、胃に効くツボというのがあるのです。
「ツボ押し」は飼い主にできるケア
 ツボ押しだけでは、病気の根本的解決は難しいかもしれません。しかし痛みを少しでもやわらげたり、病気が慢性的になるのを防ぐこともあります。また、普段からツボを刺激していると、いつも気の流れがいい状態を保てるので、病気の予防にもなります。
 病気になったときには、何かしてあげたいという気持ちはあるものです。そんなときは、ツボを押してあげるのもいいかもしれません。家でできる手軽なケアとして試してみましょう。

ツボは「だいたいこのへんかな?」でOK
 ツボはボールペンの芯くらいの大きさといわれています。それを犬の体から探し出すのは難しいと思うかもしれませんが、もし少しずれたところを押しても、その刺激はツボまで伝わり、それだけでもかなりの効果があります。本を見て「だいたいこのへんかな?」と思う場所を押してみましょう。

はじめる前に気持ちを整える
 ツボ押しはリラックスしておこないましょう。押す人がイライラしていると、それが犬にも伝わってしまいます。犬が満腹や空腹のときもやめておきます。
 また、ツボを刺激されることが、犬にとって快適でなければ意味がありません。いやがっているときに無理やりおこなうのはやめましょう。強く押しすぎるのも逆効果です。

肥満に効くツボ

肥満のツボは少し強めに押すと効果が出ます

少し太りすぎた気がします。食餌制限や運動もしていますが、肥満に効くツボがあれば押してあげたい・・・

落ち着きがないときに効くツボ

「落ち着かせる=リラックス」ということで、普段のマッサージとしても効果大

ストレスのせいか、落ち着きがないみたい。何とかリラックスさせてあげたい。

便秘に効くツボ

お風呂上がりのあたたかい手で押すと効果大

最近ウンチが出ない日があります。少し具合が悪そうに見えるのですが。
中脘(ちゅうかん)場所:胸骨とおへその中間
効果:胃痛、嘔吐に効く
天枢(てんすう)
場所:おへその左右 1〜1.5センチ
効果:下痢、便秘に効く
関元(かんげん)
場所:おへその犬の指4本分下
効果:便秘、血液の循環をよくする天枢、関元の3つのツボを通るように、手のひらでおなかの上を時計まわりになでます。反対側にまわすと逆効果になります。犬を立たせておこなったほうが、手をまわしやすいでしょう。
大腸兪(だいちょうゆ)
場所:骨盤と背骨の交差点の少し上、背骨の両側
効果:大腸、後ろ足の疾患に効く
◎犬を立たせて、大腸兪を親指と人さし指で押します。両手の親指で押してもいいでしょう。

車酔いに効くツボ

精神的に落ち着かせ、胃のはたらきを正常にします。

車酔いで気持ち悪そうなとき、少しでも楽になるように何とかしてあげたい。
内関(ないかん)
場所:前足首の関節から犬の指2本分上
効果:心臓、胃、精神的に安定させることに効く
◎両前足でも、片前足だけでも可。
築賓(ちくひん)
場所:くるぶしと膝の中間の内側
効果:乗り物酔いに効く
◎ちょうどくぼんだ部分というのが目印。
中脘(ちゅうかん)
場所:胸骨とおへその中間
効果:胃痛、嘔吐に効く
◎時計まわりにやさしく、
さするようになでます。
反時計まわりになでると、逆効果。

股関節形成不全に効くツボ

少しでも痛みをやわらげるために

そんなに重症ではありませんが、痛みがときどきあるようです。少しでもらくにしてあげたい。
大椎(だいつい)
場所:左右の肩甲骨の前側と背骨の交わった点
効果:前足、風邪、背骨の疾患に効く
◎骨に効くツボは首にあります。
親指と人さし指で押します。
大抒(だいじょ)
場所:大椎のすぐ下、背骨の両側
効果:骨の疾患に効く
◎大椎と同じように親指と人さし指で押します。
大腸兪(だいちょうゆ)
場所:骨盤と背骨の交差点の少し上、背骨の両側
効果:大腸、後ろ足の疾患に効く
◎大腸兪は後ろ足の痛みをやわらげるときにも効果があります。
親指と人さし指で押しましょう。
環跳(かんちょう)
場所:骨盤横のいちばん突起した部分前方のくぼみ
効果:後ろ足の疾患に効く
◎人さし指を直角にあてて押します。左の股関節が痛いなら右の環跳を押し、右の股関節が痛いなら左の環跳を押します。
陽陵泉(ようりょうせん)
場所:膝下の外側、犬の指3本分下のくぼみ
効果:神経、骨、筋肉の疾患に効く
◎やや強めに、ぐりぐりと押します。
離すときはパッと早く離します。