「元気もなく、食欲がありません」(その2)


喉頭部に細く真直ぐな直線的な陰影が写し出された。

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「針!?」

予想外の事態であった。
早速飼い主様にレントゲンをお見せし、説明した。
針の糸を通す穴の部分が、家で使っているものと
同じ形をしているとのことであった。

いつ、どんな状況で針を飲み込んだのか
判らないが、とにかく早く抜いてあげなければ・・・。

すぐにお預かりして、全身麻酔の下
口を一杯に開け、奥をライトで照らしながら
精査した。
口腔内は、やはりどろっとした唾液が多い。
唾液をぬぐいながら、さらに奥を見る。
すると舌根部の奥に細い金属が見えた。
真ん中から右方向に刺さっていた。
針の根元には、糸もついていた。

あらかじめ準備していた細長い鉗子を用い
その細い異物を取るべく、慎重にすすめた。
奥なので、異物と器具の距離感が判りずらい。
感覚を頼りに、鉗子を開きゆっくりと異物を挟み、
静かに抜いた。
出血もほとんどなかった。

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抜いた針を見ると、全長4cm。
針先(約1.3cm)は綺麗な銀色をしていたが、
そこから根元までは胃液により、やや黒っぽく
変色していた。


猫では過去に同様のケースがありました。
糸を舐めているうちに、先についている針まで
飲んでしまい、結果的に上顎に刺さっていたケース。
犬では今回初めてでしたが、無事に取れ
ホッとしています。
抗生物質を飲み、腫れもひき
表情もとても穏やかになり、いつものこの仔に戻りました。

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動物は、まさかと思うようなことをすることがあります。
針をお使いの際も、使用後の管理も
充分お気を付け下さい。

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コメント

  1. ちゃちゃまる より:

    先生、迅速な対応をありがとうございました😊

  2. 獣医師Tommy より:

    コメントありがとうございます。
    元気になって何よりです。
    お大事に!

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