「お昼過ぎから両側の後肢が麻痺したようで
立ち上がれなくなりました。」と来院した3才の
ペキニーズの「だすけ」ちゃん。
腰部を触ると痛みを感じるが
左右の後肢に力が入っておらず、
趾をつねっても痛みを感じる様子がない。
ナックリング反応や踏み直り反応も全くない。
馬尾と呼ばれる部位(腰椎と仙椎の関節当たり)
の異常が疑われた。(馬尾症候群)
状態によっては、全身麻酔の下
CT検査や手術の可能性もあることを
飼い主様に説明した。
まずはステロイドと鍼治療を開始、
しばらくは毎日通院していただくよう
お話した。
治療2日目、食欲はあるものの
1回排尿したのみで排便がないとのこと。
排泄障害が心配された。
3日目に排便可能、排尿も朝晩あったと。
右後肢つねると、やや痛覚あるが
左後肢は痛覚全くない。
5日目より立たせてあげると、短時間であるが
立位の姿勢を保てるようになった。
7日目より左後肢にも痛覚が認められるように
なり、ステロイドの使用量をかなり減らし
鍼治療をメインにしていった。
【ピントが合っていませんが、鍼が刺さっています。】
10日目より自力歩行が可能となり
下がっていた尻尾も上がるようになった。
記事の更新、だいぶご無沙汰してしまいました。
「春1番」も吹き、だいぶ春めいてきましたね。
皆様、如何お過ごしでしょう。
今回、両後肢麻痺という神経的に
シビアな状態でしたが、現在では
支障なく以前の日常生活に戻れました。
西洋のみでなく、鍼治療も併用することで
より効果的であったように思います。
よろしければ、ポチして下さい。
コメント