「2日前から、眼が開けづらくなっていました。」
と来院された9才半のジャックラッセル(♂)くん。
診ると左眼は開けずらく、左眼の下部の皮膚から
血様の膿が出ていた。
2日前から頬が腫れ始め、眼も開けづらくなり
昨日はパンパンになるくらい腫れ
今朝からは皮膚が破け、膿が出てきたという。
腫れている部位から第4前臼歯の歯根部による
膿瘍を疑い、同部位の歯を診てみたが、
外観は歯石もなく、ぐらつき(動揺)もなく
問題を感じない。
飼い主様と相談のうえ、麻酔のうえ抜歯を
行うこととした。
問題と思われる歯は根部が3本あるため
分割しながら、抜歯を行う。
麻酔をかけて器具を用い、歯を切り、
エレベーターで歯と周囲の靭帯を剥がし
抜歯鉗子を用い、抜歯を行なった。
同様に残りも抜歯した。
頬の膿瘍部位の洗浄を行った。
血液混じりの膿が排出した。
左眼下眼瞼の下部に小さな穴があり、
金属の器具を入れてみると、
頬の大きな穴に繋がっていた。
抗生物質と消炎剤を投与し
オペを終えた。
術後の経過はよく、
翌日から食欲も旺盛で
術後数日で頬の腫れもひき、
順調に改善している。
歯根部による膿瘍は、急に腫れはじめる
ケースが多く、見た目の腫れのわりには
食欲が落ちてしまうことは少ないです。
抗生物質等で一時的には改善するケースが
多いですが、根本的に解決するためには
抜歯する必要があります。
よろしければ、ポチして下さい。
コメント