平成元年に獣医師免許を取得してから
この春で30年。
振り返ってみると
大学卒業後、引っ越しの段ボールを
開けるまもなく、すぐに動物病院に勤務。
その病院の診察時間は午前10時から午後8時まで。
なんと昼休みなし。
昼食は外来の途切れた瞬間に食べるという感じ。
12時の時もあれば、15時になる時も。
診察後も手術だ何だかんだで10時に終われば早い方。
12時になることもしばしば。
週1日の休日と有給年4日という、今で言う
「ブラック」という環境でしたが、
外来の多い病院ということもあり
若葉マークの私に入院治療を始め、
外来診察や、手術の機会も沢山沢山与えてくれました。
その後数件の病院に計5年間勤務したのち
開業して、はや25年。
30年間ずっと動物病院の世界に浸かっております。
この30年の間に獣医学的書物や雑誌が次々と増え
学会、勉強会、研究会等も驚くほど沢山あり
常に磨いていないと、まるで浦島太郎に
なってしまう感じすらあります。
患者様の意識も大きく変わり、30年前は
「このイヌは残飯整理と番犬のために飼っている！」
「ダメなら次のイヌを飼うから先生、無理しないで！？」
｛無理しないで？」
今でも脳裏に焼き付くやりとりでした。
今では「家族の一員」、「自分の体の一部」という方まで。
なのでいざその仔が病気になると、看病のために
仕事をやめたり、結婚より動物との生活を選んだり
という方も珍しくなくなったように感じます。
来院される飼い主様の熱く強い思いに
お応えできるよう、最新の獣医学と
30年間培った経験を総動員して
動物１頭１頭、飼い主様１人１人と
向き合っていこうと改めて思う次第です。
初夏のような陽気に、一気に満開の桜。
ニュースで見かける桜の名所に
自分の目で確かめに行ってきました。
あまりの素晴らしさに、
日本に生まれてよかったと、
強く思った次第です。
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