「3〜4日、食欲がありません」と
来院された茶トラの地域ネコさん。
頸部の皮膚をつまんで
脱水の程度をみたが、かなり重度。
水も飲んでいないと思われた。
血液検査を実施すると、白血球数の上昇と
重度の脱水所見が認められたが
その他は大きな異常が認められなかった。
口を開けて診ると・・・
左右の口角部の粘膜が真っ赤に
腫れあがり、血が滲んでいた。
「これはひどい。」
重度の口内炎である。
これではお腹がすいていても
口が痛くて食べることも、水を飲むことも
できないであろう。
エイズや白血病ウイルスの感染の可能性も
疑い、検査してみたが陰性であった。
点滴治療と抗生物質、ステロイドを注射した。
治療して半日ほどすると、痛みと腫れが
少し引いてきたのか缶詰を少しずつ食べ始めた。
やはりお腹が空いていたのか、
最終的には完食してくれた。
ネコは、口のトラブルが多い動物と言われています。
その原因がウイルスであったり、歯石であったり
腫瘍であったり、細菌感染や免疫によるものであったり
原因不明なこともあります。
いずれにしても食欲はあるのに、口の痛みにより
飲食ができず、脱水状態に陥り
弱ってしまうことが珍しくありません。
普段の食べている様子を観察して、口に何か挟まっているような
しぐさや食べる時間が長いと感じられた時は、病気のサインの
可能性もありますので、病院を受診されることをお勧めします。
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