先日ご紹介した14才になるダックスくん
http://blog.livedoor.jp/mpet6111/archives/2016-05-08.html
今度は右側の頬が急に腫れたと
来院されました。
見ると明らかに右眼の下、頬部が
腫れていた。
食欲もあり、元気さもいつもと変わらない
とのことでした。
右側の上口唇を捲ってみると
奥歯(第4前臼歯)の歯肉から、赤い膿が
出ているのが見えた。
これは、歯根部の膿瘍がある可能性が
高いと思われた。
治療するためには、抗生物質などを
使用する内科療法ではなく、
外科的な抜歯が最も根本的な
解決策である旨を飼い主様に説明し
前回の手術からあまり時間がたっていないが
再度麻酔をかけることに同意していただいた。
そして麻酔をかけた。
歯と歯肉の境界部にエレベータ鉗子
(抜歯用の鉗子)を入れ、剥がしていく。
第4前臼歯は、歯の根っこが3本あるので
他の歯より抜歯には時間を要するが
鼻腔を傷つけないよう、少しずつ剥がしていく。
ある程度のところで、歯のぐらつき(動揺)具合を
みながらすすめた。
そして抜歯鉗子で歯を挟み、抜歯した。
歯は出血と膿が混ざって赤い。
抜歯痕を止血後、診るとさらにその奥の歯も
膿の影響でぐらつきがあり、さらに2本抜歯した。
それから約1週間、麻酔の影響もなく
頬の腫れもかなり改善している。
14才という高齢の仔に短期間に2回、
全身麻酔をかけるというのは
ある程度のリスクがあったが
今回は大きな影響もなく
無事に終了し、ホッとしている。
日常の診療の中で、歯のトラブルは
大変多いように思う。
できることなら、多くの方に
歯について関心を持っていただき
歯の検診に来院されるよう願いたい。
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