常法とおり全身麻酔を施し、開腹を始めた。
腹膜をあけ、下部に位置する胃を
優しく上方に持ち上げ、胃の外から
異物の有無を慎重に触診していく。
注意深くすすめると、何やら硬いものに触れた。
再度触ってみたが、やはり硬いものがある。
その部位の漿膜面に、うっすらと黒っぽい
ものが透けて見える。
大きさといい、硬さといい異物と思われた。
その部位をメスで切開する。
血管の少ない部分を選び、慎重に切開を加えた。
黒っぽい異物が顔を出した。
クリップと共に、この仔の黒い被毛
も絡まっているようにみえた。
器具を用い、その異物を引き上げようとしたが
食い込んでいるのか簡単には取り出せない。
前後左右に少し動かしながら、ようやく摘出した。
胃の粘膜も確認したが、異物による影響は
そこまで重度には至っていないようであった。
切開した胃を縫合し、胃の内容物の漏れがない
ことを確認後、閉腹しオペを終了した。
結果的に、嘔吐や食欲低下などの症状が
出ないうちに摘出できてよかったと思います。
何か異物を口にしてしまった際は、症状が出なくても
早めに受診することをお勧めします。
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