今月トリミングの際、「しこりがある」と
トリマーさんに言われました。
と来院した8才のトイ・プーさん。(♀)
診ると胸骨部の皮下に直径1.5cm大の
しこりがあった。
先月のトリミングではなかったという。
しこりを触っても痛みはなく、痒みも
認められない。
飼い主様に次の3つの選択肢を提示した。
1.このまま2〜3週間経過観察する。
2.針生検してみる。
3.切除する。
※針生検は、しこりに針を刺して、吸引された
細胞により、大まかな診断をする検査。
確定診断までは難しいことが多い。
手術できるかどうかの術前の血液検査を行った。
飼い主様はしばらく考えたのち
「心配を抱えて過ごすより、早く切除して欲しい」
とのご希望であった。
そして手術。
しこりは胸骨部の皮下にやわらく、
ぷっくりとしていた。
全身麻酔を施し、切除を始めた。
皮膚を切開し、しこりを探る。
しこりは、周囲の皮下脂肪との境界が
不明瞭であった。
しこりを器具で少し引き上げただけで
裂けてしまうほどもろいものであった。
大きな出血もなく、無事に手術は終了した。
しこりを切除するタイミングは、とても重要だと思います。
今回は上記3つの選択肢を提示させていただきました。
「心配を抱えて毎日過ごすことは、避けたい。」という
飼い主様のご希望により、すぐに切除に至りました。
今のところ術後の経過は順調で、切除したしこりは
現在病理検査中です。
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