ゆっくりと少しずつ皮膜を外していくと
腸が出てきた。
さらにすすめていくと膀胱(青→)、
肥大した前立腺(黄色→)も認められた。
会陰ヘルニアであった。
これが排尿障害の原因であると思われた。
まずこれらの臓器が出てくる穴
(ヘルニア輪)を探る。
臓器の出てくるあたりを指で
注意深く探る。
しばらく触知していくと、ヘルニア輪を
見つけた。
ゆっくり指を入れると、中に入っていく。
間違いない。
出ている臓器(腸、膀胱、前立腺)を
その穴(ヘルニア輪)から腹腔へ
少しずつ戻し入れていった。
そしてヘルニア輪周囲の組織に糸をかけた。
正常な組織に比べ、薄くなっていたので
緩んだり、切れることのないよう注意しながら
縫合間隔を細かく、縫合した。
会陰ヘルニアは、今回のように排尿が障害されるなど、
時に生命にかかわるケースもあります。
日頃から体に膨らみや痛みがないかなど
気をつけて触ってみていただけると良いかと思います。
会陰ヘルニアは、ほんどが雄犬で特に5才以上で起こりやすく、
犬種ではペキニーズ、ボストンテリア、ボクサーなどが多い
と言われていますが今回のように、他の犬種でも普通に起こります。
猫では、かなりレア―な病気です。
この仔は前立腺肥大もあったことから去勢手術も行いました。
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