「保冷剤、冷却シート」の危険性

連日の真夏のような暑さに、
梅雨の存在を忘れてしまっている
今日この頃です。

この暑さにより、熱中症対策を
しっかりされている方が多いかと思います。

来院時や外出時、就寝時に保冷剤や
冷却シートを使用している方も少なくない
と思いますので、今回はこれらの危険性に
ついて綴ります。

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保冷材、冷却シートの中には「エチレングリコール」や
「プロピレングリコール」という成分が含まれているものが
少なくありません。
高分子ポリマーという成分だけなら問題ないのですが
特に凍らせても固まらないタイプの保冷材に用いられる
「エチレングリコール」という成分は、大変危険です。

敷物やペットシーツの下に置く分には問題ありませんが
かじって袋を破き、中身を食べてしまうと
エチレングリコール中毒を起こし、腎不全で死亡する
可能性があります。

このエチレングリコールというのは、甘みがあるため
イヌやネコが袋を破りぺろぺろ舐めたり、
食べてしまうことがあります。
以前ワインの甘み成分として混入して、人が死亡したと
ニュースで報道されていました。

主な症状は、以下の3つのステージに分類されています。

ステージ1
最初の30分から12時間で嘔吐、元気喪失、ふらつき、発作など

ステージ2
12~24時間でみられ頻脈、呼吸促迫

ステージ3
24時間~72時間
高窒素血症、血尿、無尿、急性腎障害

「なんかふらふらしている」という症状があれば
様子を見ずに、早く病院を受診して下さい。

また保冷剤、冷却シートの中には
プロピレングリコールが添加物として
使われているケースもあります。
エチレングリコールよりも毒性は低いのですが
量を多く摂取すると、大変危険です。

市販のペット向けの保冷剤や冷却シートに
プロピレングリコールが含まれているものが
少なくありません。
注意書きには「食べられません」との表記がありますが
誤飲や誤食した際の危険性についての記載がないことが
多いです。
万一誤って口にした際は、様子をみたり、症状が出るのを
待ったりせず、早めに病院を受診して下さい。
保冷材等を多用するこの時期、事故を未然に防ぐ
第一歩になれば幸いです。


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