「ここ数日ほとんど食べません。
水はよく飲んでいます。ふらついています。」
と12月下旬に来院された17才の
日本猫の男の仔。
血液検査では、腎機能が重度に低下し
(腎機能の指標となるBUNは29mg/dlくらいまで、
CREは1.8mg/dlくらいまでが正常値の上限。)
液体貯留の胸部をエコーでみながら、
針で抜いてみると薄黄色の胸水が抜けた。
採った胸水を病理検査に出したところ、
リンパ腫とのこと。
来院時胸水貯留のため、呼吸が辛そうで
あったが、胸水を抜いてから、だいぶ
落ち着いてくれた。
本来はリンパ腫であることから、抗がん剤を使用し
その効果がある程度期待できるのだが、これだけ
腎機能が低下していると、抗がん剤を使用することは
できない。
腎機能の状態をみながら、ステロイドを
使用しつつ腎臓の治療も並行して行っていくことを
飼い主様に説明した。
腎臓病だけでも、あるいはリンパ腫だけでも
厳しい状況であるのに、17才という高齢でその両方を
患ってしまっていることを考慮すると
年を越せない可能性も少なくないことを
飼い主様に告げた。
以来、年末の忙しい時期でも大晦日であっても
毎日毎日面会に来院され、何とかお正月を迎える
ことができ三が日も毎日、そして間もなく入院から
半月を迎えようとしている。
少しずつ徐々に弱ってきてはいるが、飼い主様の
強い想いに応えるように、この仔は1日1日を
頑張っている。
あとどのくらい頑張ってくれるのか
はっきりとは判りませんが、
疼痛や苦しみを少しでも軽減することを
考えながら治療をしております。
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