「今年も見れますかね～？」

中等度の腎不全で通院中だった三毛猫の
七海ちゃん。
今からちょうど２年前の２月の血液検査で
ＢＵＮ（９２．０）Ｃｒｅａ（９．０）
ＩＰ（７．３）Ｃａ（１３．０）と
とても重度の腎不全を示す検査結果。
日常生活も食欲が低下し、頻繁に嘔吐症状が
見られていた。
数字と症状から「１ヶ月もたないかもしれない」
とシビアな説明をした。

「桜を見せてあげたい」と飼い主様。
そこまで頑張れるかどうか・・・。
そんなやり取りの後、それまでされていた
自宅点滴の頻度をあげてもらい、２～３日の
頻度で通院していただき制吐薬等を注射した。
毎回の診察で、ご自宅での様子を注意深く
聞きながら、症状に応じた治療を続けた。

２月を乗り越え、３月。
桜前線の開花予想を待ち遠しく思った。
状態は少し落ち着いてくれていた。
そして桜の時期を迎えた！！！
「頑張りましたね！」と飼い主様と喜びを共有した。

それからは次の目標を「夏」としたものの
食欲も低下し、頻度は減ったものの嘔吐は続いていた。
３．４ｋｇだった体重も３．１ｋｇまで減少。
「夏まではどうかな？」というのが正直なところであった。

ひたすら自宅点滴、腎臓用処方食、制吐薬等の薬物療法など
できる限りのことを続けた。
波はあるものの５月、６月、７月を何とか乗り越え
途中膀胱炎を併発するなどしたものの、
８月を迎えることができた。
心配していた体重も何とか３．１ｋｇを維持していた。

それからも目標を定めた。
「秋・紅葉」「冬・クリスマス」「年末・新年を迎える」
そしてその全てをクリアー。
２０１７年の２月を迎えた。
あの検査から１年。
「桜見れますかね？」と１年前と同じやり取りができた。

それからも点滴、食餌、薬物療法、検査・・・
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季節は一回りした。

そして先日
「今年も見れますかね～？」
２年前と同じやり取りができた。
今では毎日朝晩の２回の自宅点滴、処方食と
薬物療法としてラプロス錠(腎臓の血の巡りを
改善する薬）の投薬と昨年１２月に発売された
サプリメントであるアゾディルの投与。

アゾディルを始めてからＱＯＬが向上したと飼い主様。
最新の血液検査結果は
Ｂｕｎ（７４．３）Ｃｒｅａ（３．８）ＩＰ（４．４）
Ｃａ（１２．８）
体重は３．８ｋｇにまで増加した。