発ガン性!?

ある飼い主様から
「フードのことで聞きたいことがある」と
ご相談がありました。
この方はネコさん3頭を飼っていらして、
それぞれ「PHコントロール」「満腹感サポート」
「消化器サポート」と三者(匹)三様。
何れもドライフードである。

「実は・・・」とお話し始めた。
「ネットで、このメーカーの酸化防止剤として
使われているBHAは発ガン性がある。
と書かれていたのを見たが、大丈夫でしょうか」
というものであった。

おっしゃるように、確かにこのメーカーの
ドライフードには酸化防止剤として
BHAが使用されています。

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早速メーカーさんに連絡し聞いてみました。
今回はその回答を記事にします。

BHAの発ガン性に関して、1980年代初めにラットに
大量投与すると、ラットの前胃に乳頭腫と扁平上皮ガンが
有意に発生したと報告されています。

それから約10年にわたり、様々な研究者が
様々な試験を試みた結果、BHAはラットの前胃にのみ
特異的に発ガン性を示すもので前胃を持たない人間、
犬、サルなどには発ガン性は見出されない
とのことでした。

また当初の試験で発ガン性が報告された飼料には、
非常に高濃度のBHAが投与されており、現実には
起こりえない大量投与であったので、最終的に
BHAの発ガン性を否定的に評価する報告がなされたそうです。

またWHOの検討組織によって、
1988年に「BHAは発ガン性なし」として
「BHAの規制は不要」と結論づけられました。

以上がメーカーからの返答でした。

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食の安全は、動物にとっても人と同様
とても大切なこと。
フードについての疑問や心配なことがあれば
我々獣医師に、聞いて頂ければと思います。
と同時に、ネットの情報を丸呑みにせず
「確かめる」ということは大変重要に思います。
よろしければ、ポチして
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コメント

  1. より:

    私も昔、獣医さんに全く同じ質問をしました。
    そのメーカーのドライフードを与えていたからです。
    きっかけはネット掲示板などで、BHAが入ってるからうちは与えてないという声を見て、心配になったからだったと記憶しています。
    獣医さんの回答は、今回の記事と同じような主旨で
    「(酸化防止のために使われている)全く害のない量のBHAを添加せず、フードを酸化させるままにする方が、よほど体に悪いです」
    とのことで、何となくまあそうかと納得していました。もう4年くらい前でしたが。
    できたらBHAではなく、他のあるメーカーみたいに天然成分の酸化防止剤を使ってくれたらいいのにとも思いましたが
    じゃあその天然成分は絶対に安全なのかと言われると…。
    結局、猫の好みに押されてうちはずっとBHAの入っているメーカーのフードを使っています。
    毎日食べていた(ている)猫は5頭。
    うち3頭はすでに亡くなり、そのうち1頭は扁平上皮癌を発症しましたが原因はフード(のみ)ではないと考えています。
    (フードが原因の一つだったかどうかはわかりません)
    全く同じ条件で同じフードを食べていた他の3頭には癌は出来ず、2頭は腎不全で亡くなり、1頭は今、私のお腹に足をあてて爆睡しています。
    癌になった子も、手術で取り切って頂いてから再発はなく、手術後2年生きて腎不全で亡くなりました。
    今は個人的には、癌になるかどうかは人間と同じように、一つの原因だけではないのではと考えています。
    環境要因、食べ物、飲み物、元々の体質、ストレス。
    これらのうち一つだけの原因で悪性腫瘍が大きくなることはなく、
    色々な悪条件が重なって、癌を免疫力で抑えきれなくなるのではと。
    あまり疑心暗鬼になると自分が疲れ果ててしまうので(笑)、
    できるだけ良いものを美味しく食べて、動物達にも長生きしてほしいです。

  2. 獣医師Tommy より:

    コメントありがとうございます。
    BHA,すでにご存知でしたか。
    食の安全は信頼関係ですね。人も動物も。
    私的にはこのメーカーさんの見解を信じております。
    うちのワンもずっと食べ続けておりますし。
    嗜好性も良いことと、治療効果も実感しております。

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