「唇の裏に、しこりがあります。」
と来院された14才半のダックスくん。
今のところ、食べづらさやしこりを気にする
様子も見られないという。
このまま経過をみるか、針生研するか
この段階で摘出するかの選択肢を説明した。
経過をみながら、もししこりが大きくなってから
切除するとなると、その分切除範囲が広くなり、
麻酔時間も長くなることを伝えた。
また口にできたしこりは、小さくても時に
悪性のことがあると説明した。
飼い主様はこの段階での「切除」を選択された。
血液検査で術前検査した後、麻酔をかけた。
しこりは口唇の裏にあり、ほぼ円形でやや硬かった。
挟を用い、少しずつ切除した。
少量の出血が認められたが、無事にしこりを
切除することができた。
摘出したしこりは、ホルマリンに浸け病理検査へ。
術後は全く順調であったが、病理検査にて
悪性腫瘍(悪性黒色腫)との報告があった。
レントゲンにて肺の転移所見は認められず、
現在経過観察中である。
唇の裏側を日頃からチェックすることは
なかなかされないかと思いますが、
時にこのようなケースがあることを
知っていただければ幸いです。
普段と何ら変わりなく食べていても
時々チェックしてみてください。
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