「一昨日から食欲がありません」
と来院された11才の柴犬さん(♀)
いつもはとても食欲旺盛なのに
一昨日の夕方吐いて以来、3日間
全く食べていないという。
この仔は、避妊手術はしておらず
ヒートは2週間前にあったとのこと。
体温は平熱であったが、身体検査をすると
腹部が張っているように感じられた。
血液検査では軽度白血球の上昇が見られた。
エコーでは腹部に黒く陰影(液体を示唆)が
下腹部の膀胱の頭側の左右に認められた。
以上の症状、検査所見から子宮内膜炎が
疑われた。
飼い主様に説明のうえ、手術の必要性を
お話した。
飼い主様は同意され、即日手術を行った。
全身麻酔のもと開腹すると、膨らんで
太く長くなった子宮と卵巣を容易に
目に入った。
診断に間違いはなかった。
通常より、もろく破けやすくなっている
子宮に注意しながら、切除部位を
結紮した。
そして左右の卵巣と子宮をゆっくり
慎重に腹部から摘出した。
出血を確認した後、閉腹しオペを終えた。
子宮内膜炎(子宮蓄膿症)は避妊手術をしていない
老犬に多く見られる病気です。
手遅れになると命、にかかわることもあります。
繁殖を考えていないのであれば、若いうちに避妊手術
することをお勧めします。
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